烏骨鶏(うこっけい)卵黄油
烏骨鶏(うこっけい)卵黄油
「烏骨鶏」はニワトリの一種で中国・ベトナム・インド・ヒマラヤなど東アジア産の鳥ですが、日本に渡来したのは17世紀の江戸時代初期頃といわれています。烏骨鶏は皮・肉・骨・内蔵までが紫黒色をしているところから「烏(からす)」の文字が当てられたと言われています。烏骨鶏は中国、台湾、韓国等のアジア各国や英国等でも飼われていますが、最も原種の特徴を保持しているのは、日本で飼われている烏骨鶏であると言われています。
お隣の中国では、全身柔らかな白い羽毛に覆われている鶏、またの名を「絹糸鶏」とも呼ばれています。また、中国の宮廷では烏骨鶏を薬用鶏として大変珍重し大切に飼育され、滋養強壮や長寿の源として、薬膳料理に欠かすことの出来ない食材として重宝視されていた歴史があります。その肉には、カルシウム・鉄・ビタミンA・B2・E・その他の含量が多く、非常にすぐれた食品です。烏骨鶏卵全体に対する卵黄の重量比は、一般鶏卵の卵黄と比べるときわめて大きいことがわかります。
※ 比較図は烏骨鶏卵と普通鶏卵を比較したもので、驚くことに普通鶏卵は水分が全体の約75%に対し、烏骨鶏卵は水分量が約8%でごくわずかです。水分の少ない分だけタンパク質が多く、約62%がタンパク質 (アミノ酸)で構成されています。
烏骨鶏の卵黄は、普通のニワトリの卵黄に比べて、脂肪やカロリーは半分でありながら、多量のレシチンやコリン、鉄分やビタミンA、ビタミンEなどが豊富に含まれており、通常の卵黄に含まれることのない「アラキドン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、DHAなどの不飽和脂肪酸」が含まれています。特に「鉄」は普通鶏卵の3個分、「DHA」と「レシチン」は普通鶏卵の2個分、「ビタミンE」はなんと30個分も含まれるなど、烏骨鶏の卵黄には多くの栄養が含まれています。
また、牛、豚、ニワトリなどの肉類は酸性食品で知られていますが、烏骨鶏は肉、骨、卵、すべてが、「アルカリ性食品」で大変貴重な卵です。「烏骨鶏は天然記念物」ではありますが、「特別指定」ではありません。だから食べても咎められることはありません。同時に烏骨鶏の卵は大変貴重で希少価値(年間に40~50個程しか卵を産まない)があり、デパートなどでは1個数百円位で販売されており「高級卵」と言えます。この卵からじっくりと時間をかけて「卵黄油」をとりだします。